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一 般 注 意 事 項

・ジャガーを愛する皆様に少しでもお役に立てばと思いメンテナンス方法についてまとめてみました。
・ここに記載の内容にもとづいて作業をされる場合は全て 作業される方の責任 において行って下さい、作業方法や作業された結果などについての一切の責任はご容赦願います。
・またもっといい方法があるとかここが間違っているとかお気ずきの点がございましたらご教示いただけましたら幸いです。

【 目  次 】
1.電気系統の一般的な注意事項
2.電気関係工具(電圧測定工具)
3.機械関係工具
4.ネジを締め付けるときのワンヒント
5.安全に関する注意事項

1.電気系統の一般的な注意事項
  • 年数が古くなってくると金属表面に酸化皮膜が出来て接触不良が多くなってきます。

  • 特にランプ回路その他大電流の流れる回路では接触抵抗が増えれば電流の2乗に比例してロスが増えますので注意が必要です。

  • 私が実際に経験したことはヒューズが切れていないのに負荷側に電圧が掛からなかったことがありました。

  • 原因はヒューズホルダー側に出来た酸化皮膜による接触不良でした、普通ホルダーはU字型をした一体物の金具ですがこのホルダーはU字型の左右が分かれていて別々の回路に給電していました。

  • 検電の時にはヒューズ自体の金属部分とホルダーの片側だけで行ったので電圧があったのですがまさかホルダーの左右が分かれているとは夢にも思ってませんでしたので気が付くのが送れました。

  • ちなみにこのホルダーは右側運転席側ダッシュ下のヒューズホルダーの10番だったと思います。(ちょっと記憶が定かではなくなりました)

  • 具体的な対策は室内側の
    • 運転席ダッシュ下のヒューズホルダー
    • 助手席ダッシュ下のヒューズホルダー
    • エンジンルーム内左前のヒューズホルダー
    についてヒューズホルダーとガラス管ヒューズの手入れをお奨めします。

  • 300番前後の紙ヤスリなどでヒューズホルダーの内側やガラス管ヒューズの接触部分を磨きます。

  • ガラス管ヒューズはこの際全数新品にするのがよりベターです、なぜならヒューズは長年電流が流れることにより痩せ細り定格電流以下で切れるようになる性質があります。

  • ただ運転席と助手席の前にあるヒューズボックスとエンジンルームにあるヒューズボックスは簡単に出来ますがそれ以外のラインヒューズ(配線の途中にある物)などは場所も判り難く、あちらこちらと内装をバラして行かなければならず、手も入り難いのでなかなか出来ませんが。

  • これだけで今まで薄暗かった照明もかなり照度を取り戻せます。

  • 配線を分岐する場合などは分岐コネクターを利用されるのがほとんどと思いますが万一被覆を剥いてビス止めなり半田付けをする場合は素線の表面が酸化皮膜や汚れなどで接触不良を起こしますのでよく磨いておく必要があります。

  • それと特にバッテリーを電源としている回路ではバッテリーの内部抵抗が低いため、短絡事故などを起こすと瞬時に大電流が流れ、ビニール被覆が溶けるくらいならいいのですが火災にまでなりかねませんので注意が必要です。

  • ・作業する箇所によってはバッテリーの配線を外すなど安全に配慮して下さい。
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2.電気関係工具(電圧測定工具)

 DC12Vをチェック出来るツールが必要で下記のいずれかを準備すると作業効率が上がります。

(1)テスター

  • 万能で非常に便利ですがちょっとしたレンジの切り替えミスにより回路の短絡やテスターの内部抵抗焼損の恐れが有りますので取り扱いは慎重に行って下さい。

  • 原理的にアナログ式とディジタル式があり、回路電圧の微妙な変化などにはアナログ式が、正確な電圧を読むにはディジタル式が適していますが、車の場合はアナログ式のテスターがいいでしょう。


    アナログ式テスター

    (これは高級品ですが2〜3,000円くらいの物で十分です)

(2)リード付きランプ(12V)

  • 電圧が有るか無いかの判断に便利です、但し明るいところではちょっと見難いでしょう。
(3)リード付きブザー(12V)

  • 電圧が有るか無いかの判断のみであれば便利です、いちいちメータとかランプを見なくても音で判断できるので配線を沢山チェックする場合には効率アップになります。

(4)抵抗付き発光ダイオード式測定工具

  • 発光ダイオードに直列に1KΩ位の電流制限抵抗をつないだ物で電圧が有るか無いかの判断に便利です、但し明るいところではちょっと見難いでしょう。

  • なおダイオードの色は赤が見やすいでしょう。

    発光ダイオード式測定工具

    (プローブ内の赤い部分が発光ダイオードです)

 この中でお奨めは(4)項の発光ダイオードランプです。

 私はこれを透明のテスター棒の中に組み込みリード線の先端にみの虫クリップを取り付けていますのでテスター棒を必要箇所に当てるだけでテスターのように目盛りを読む必要もなく電圧の有無を即座に判断できます。

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3.機械関係工具

 何から何までそろえられればそれに越したことはありませんがとてもできません、必要な都度必要な工具をそろえて行くようにすればいいでしょう。

  • ドライバー(プラス・マイナス)

    注:
     プラスドライバーは回すネジの小さい物から順に「1・2・3・4番」の4種類があります、違うサイズのドライバーを使うとネジの頭を傷めるので必ず適正なドライバーを使って下さい。
     適切なサイズが判らない場合は大きいドライバーから順に試して行きぴったり合う物を選んで下さい。

  • モンキー(規格は150mm、200mm、250mm、300mm、375mm、450mm が有ります)
      注:力の掛かるところにはソケットレンチまたはメガネレンチを使用して下さい。
  • 組ソケットレンチ(インチ、ミリサイズ)
  • 電工ペンチ
  • ニッパー(一般型、強力型)
  • ラジオペンチ
  • サンドペーパー(各メッシュ、60番から500番くらいの間が良いでしょう)
  • ウオーターポンププライヤー
  • 組ヤスリ(平、丸、三角、四角、半丸など)

 などが有ればまあまあ何とか作業が出来るでしょう。

 あと有れば便利な道具としては次のような工具類がありますが。

・トルクレンチ ・メガネレンチ(インチ、ミリサイズ)
・鏡(アンテナみたいに延長できる物) ・マグネットキャッチ(アンテナみたいに延長できる物)
・ヤスリ(平、丸、三角、四角、半丸など) ・ドリルドライバー
・ハンマー ・プラスチックハンマーまたは木ハンマー
・金鋸 ・電気ドリル
・ボール盤 ・卓上グラインダー
・ディスクグラインダー ・万力
・作業灯 ・エアーコンプレッサー
・ワイヤーブラシ ・竹歯ブラシ
・隙間ゲージ ・ピンセット
・カッターナイフ ・ノギス
・巻き尺 ・ハサミ
・金切りハサミ ・アルミパン(部品入れや洗浄に使用)
・オイルジョッキ ・ガレージジャッキ
・リジッドラック(通称「馬」)
・配線材料
(圧着ペンチ、ギボシ端子他、ビニールテープ、配線バンド、メッセンジャーワイヤー等)

 ジャガーで注意することはネジの規格が基本的にインチサイズ使われていますが部分的にミリサイズのネジが使われていますので面倒がらずにきっちりと合った工具を使うことです。

まあこれはどこでも言える話ですが、特に不適切な工具を使った場合にはネジの頭を潰してしまったり最悪怪我をしたりしますので注意が必要です。

それと工具ですが超一流品を自慢げに飾ってあるカー雑誌などを見かけますがわざわざ高い物を買うことはありません、輸入品にも国産品にもいい物が沢山あります。

ホームセンターで売っている何本組イチキュパッとかの品物はよく吟味して使うようにして下さい、全てが悪い訳ではなく一級品顔負けで十分実用に耐える物もある反面値段相応の粗悪品もあります。

なまくら工具でねじの頭を壊したり、工具がつぶれて怪我をしたり結果的に高くつきます、良い工具を使えばいい仕事をして安く安全・確実に作業が出来ます。

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4.ネジを締め付けるときのワンヒント

 特に木ねじやセルフタップネジなど相手がプラスチックなどの材料が柔らかくネジのピッチが荒いネジ類は、いきなり締め込まないで一旦反時計方向に軽く回してやると、ビスのネジ山が前に付いているネジの溝にコトンとはまりこむ位置がありますので、それからゆっくり締め込むようにするとネジの溝を痛めずにビスを締め付け出来ますので注意して下さい。

 それと締め付けすぎないことです。

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5.安全に関する注意事項

(1)車のリフトアップ

  • ジャッキだけでジャッキアップした車の下には絶対に入らないこと、私自身も実際に作業中にジャッキが潰れた経験があります。

  • 特にクルマに付属のパンタグラフ式ジャッキはタイヤ交換用だけと思って下さい。

  • ジャッキアップするときはサイドブレーキをしっかり引きギアーはパーキングポジションとすること、ジャッキアップしない車輪には車止めをすること、特に後輪をジャッキアップするときは要注意です。

  • 平らな安全な場所を選びしっかりしたスタンドで支えること、特に砂利や軟らかい砂地などは要注意です、強度と面積の十分ある板などを敷いてください。

  • 車に付属しているパンタグラフ式のジャッキは掛ける位置が決まっているので、それ以外に掛けると車を傷めますので十分注意してください。
     フレームとかボディその他が荷重に耐えきれずに曲がったりします。

  • 特にガレージジャッキなどは安全で且つ強度がある確実なところに掛けることです、特にデフの部分にはジャッキを直接掛けてはいけません、化粧板が曲がりますのでアダプターを挟みます。

  • ジャッキを掛ける詳細な位置やアダプターの形状などはマニュアルを参照してください。

  • 必要な高さまでジャッキでリフトアップ出来たら必ずリジッドラック(通称馬とも言う、その他ジャッキスタンドとか色々な名称の製品があります)を安全で確実な位置にセットして車を載せてください。
     一般的には車載のジャッキを掛ける位置(ボディー下面の4隅にあるジャッキポイント)がいいでしょう、それ以外の場所は相手側の強度やジャッキが外れないような安全で確実なところにかけてください。

  • ジャッキやスタンドでリフトアップしている状態では車を揺らさないこと、スタンドが外れて車が落ちてくる恐れがあります。

  • 特に固いネジなどを弛めたり締め付けたりする場合には力が入るので車を揺らさないように注意深く作業をしてください。

  • 車体を嵩上げするのにタイヤの下にコンクリートブロックを敷いたりしますがその時のブロックは重量ブロックを使って下さい、軽量ブロックだと重量に耐えきれず潰れる恐れがあります。
(2)車をジャッキアップする前やジャッキアップ中にホイールナットを締めたり緩めたりする場合は十分注意して行ってください。

(3)エンジンをスタートさせるときは

  • パーキングブレーキを引き
  • 変速機はパーキングもしくはニュートラル位置
 にしてください。

(4)エンジンが熱いときにラジエータキャップを開けなければならないときは火傷をする恐れがあるのでキャップに布などをかぶせて蒸気や熱湯が噴き出しても大丈夫なように養生を行い徐々に開けてください。

(5)エンジンが熱いときにエンジンオイルを排出する時はこれも火傷の恐れがあるので十分に注意し、出来れば冷めてから行うようにしてください。

(6)エンジン停止直後はエクゾーストパイプや排ガス触媒装置が非常に高温になっていて火傷をする恐れがあるので十分に注意し、出来れば冷めてから作業をしてください。

(7)塗装面にはブレーキ液やエンジン冷却用の不凍液を付着させないでください、塗装が剥げます。

(8)ガソリン、ブレーキ液や不凍液などを口に入れたり皮膚に付けないこと。

(9)アスベストを含んだダストを吸引すると有害なので吸い込まないように。

(10)オイルやグリースを床にこぼすとスリップして危険なので必ず拭き取ること。

(11)不適切な工具を使うと滑ったりして怪我の元になるので使わないこと。

(12)重い部品などを持ち上げるときは無理をせずに補助具を使うこと。

(13)仕事を早く終わらせようと急いだり、または手抜きをしてはならない。

(14)車の周辺で子供や動物が遊んでいないことを確認すること。

(15)ドリル、サンダー、グラインダーなどで作業をするときや車の下に入って作業をするときには防塵メガネを使用すること。

(16)油などで汚れる仕事をする前に手に保護クリームを塗っておくと後で汚れが取れやすくなりまた肌を守ってくれる、ただし手が滑らないように注意のこと。

(17)使用済みのエンジンオイルに長期間触れていると健康障害を起こす恐れがあります。

(18)袖口やネクタイ、長い髪は回転部分に巻き込まれる恐れがあるので十部養生をすること。

(19)腕輪や時計などは作業の前に外しておくこと、ズボンのベルトに使われているバックルでボディーなどに傷を付けることがあるのでつなぎの作業服を着用してください。

(20)巻き上げ装置を使用する場合はその作業に見合った十分な能力の装置を使用すること。

(21)作業場の整理が悪いと物を落として壊したり、置き忘れたりするので
   4S(整理、整頓、清潔、清掃)に心がけること。

(22)一人で作業中は定期的に作業内容に問題がないか他の人に見てもらうことを奨めます。

(23)決められた手順に従って作業を行い、全て正確に取り付けられているか、きちんと締め付けられているかチェックを行うこと。

(24)車の安全は貴方だけではなく周りの人の安全にも影響するということを心しておくこと、もしわからない点や疑問点が出てくれば独断で作業を行わずに専門家の意見を聴くこと。

(25)ガソリンなど非常に燃えやすい危険物が有るので作業場は禁煙とするとともに、特に直火、スパーク火花、電気回路の短絡、静電気などは気化したガソリンに引火しやすいので注意する。
 閉め切った室内では爆発することもある。

(26)特に燃料系統の機器(燃料ポンプ・フィルター等)の作業時にはバッテリーの配線を外すこと、それと熱くなっているエンジンやエキゾーストパイプにガソリンやオイルをこぼさないこと。

(27)作業場、ガレージなどには常時消火器(電気、油火災用)を備え付けておくことを奨める。

(28)電気火災(12V回路は特に問題はないと思うが)や油火災には水をかけないこと。

(29)ガソリン等気化しやすい液体を取り扱うときは換気を十分に行うこと。

(30)洗浄液を使用するときはその取扱説明書の注意事項を良く読むこと、また噴霧した物や気化した物を吸い込まないように注意すること。

(31)締め切ったガレージや作業場の中でエンジンをかけないこと。
 排気ガスには一酸化炭素が含まれているのでもしエンジンをかける必要が有れば戸外で行うか排気パイプをガレージや作業場の外へ出して行うこと。

(32)検査用のピットに入って点検作業を行うときは排気ガスの比重が重くピット内にたまりやすいのでエンジンをかける場合は十分注意をすること。

(33)基本的に燃料系統と電気系統の作業時にはバッテリーのアース線を解線すること。

(34)バッテリーは非常に爆発しやすい水素ガスが発生しているので周辺での火気、火花は厳禁です、実際に引火してバッテリーが破裂した人もおられます。

(35)バッテリーを充電するときには大量のガスが発生するため、各セルのプラグは解放しておくこと、詰まっていたりすると爆発することがある。

(36)バッテリーを外したり移動するときには電解液をこぼさないように注意すること、電解液は希硫酸を使用しているため万一肌や衣服に付いたときは直ちに水道水で洗い流すこと。
 特に目に入った場合は直ちに水道水で洗い流すとともに医師の診断を受けること。

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