(1)車のリフトアップ
- ジャッキだけでジャッキアップした車の下には絶対に入らないこと、私自身も実際に作業中にジャッキが潰れた経験があります。
- 特にクルマに付属のパンタグラフ式ジャッキはタイヤ交換用だけと思って下さい。
- ジャッキアップするときはサイドブレーキをしっかり引きギアーはパーキングポジションとすること、ジャッキアップしない車輪には車止めをすること、特に後輪をジャッキアップするときは要注意です。
- 平らな安全な場所を選びしっかりしたスタンドで支えること、特に砂利や軟らかい砂地などは要注意です、強度と面積の十分ある板などを敷いてください。
- 車に付属しているパンタグラフ式のジャッキは掛ける位置が決まっているので、それ以外に掛けると車を傷めますので十分注意してください。
フレームとかボディその他が荷重に耐えきれずに曲がったりします。
- 特にガレージジャッキなどは安全で且つ強度がある確実なところに掛けることです、特にデフの部分にはジャッキを直接掛けてはいけません、化粧板が曲がりますのでアダプターを挟みます。
- ジャッキを掛ける詳細な位置やアダプターの形状などはマニュアルを参照してください。
- 必要な高さまでジャッキでリフトアップ出来たら必ずリジッドラック(通称馬とも言う、その他ジャッキスタンドとか色々な名称の製品があります)を安全で確実な位置にセットして車を載せてください。
一般的には車載のジャッキを掛ける位置(ボディー下面の4隅にあるジャッキポイント)がいいでしょう、それ以外の場所は相手側の強度やジャッキが外れないような安全で確実なところにかけてください。
- ジャッキやスタンドでリフトアップしている状態では車を揺らさないこと、スタンドが外れて車が落ちてくる恐れがあります。
- 特に固いネジなどを弛めたり締め付けたりする場合には力が入るので車を揺らさないように注意深く作業をしてください。
- 車体を嵩上げするのにタイヤの下にコンクリートブロックを敷いたりしますがその時のブロックは重量ブロックを使って下さい、軽量ブロックだと重量に耐えきれず潰れる恐れがあります。
(2)車をジャッキアップする前やジャッキアップ中にホイールナットを締めたり緩めたりする場合は十分注意して行ってください。
(3)エンジンをスタートさせるときは
- パーキングブレーキを引き
- 変速機はパーキングもしくはニュートラル位置
にしてください。
(4)エンジンが熱いときにラジエータキャップを開けなければならないときは火傷をする恐れがあるのでキャップに布などをかぶせて蒸気や熱湯が噴き出しても大丈夫なように養生を行い徐々に開けてください。
(5)エンジンが熱いときにエンジンオイルを排出する時はこれも火傷の恐れがあるので十分に注意し、出来れば冷めてから行うようにしてください。
(6)エンジン停止直後はエクゾーストパイプや排ガス触媒装置が非常に高温になっていて火傷をする恐れがあるので十分に注意し、出来れば冷めてから作業をしてください。
(7)塗装面にはブレーキ液やエンジン冷却用の不凍液を付着させないでください、塗装が剥げます。
(8)ガソリン、ブレーキ液や不凍液などを口に入れたり皮膚に付けないこと。
(9)アスベストを含んだダストを吸引すると有害なので吸い込まないように。
(10)オイルやグリースを床にこぼすとスリップして危険なので必ず拭き取ること。
(11)不適切な工具を使うと滑ったりして怪我の元になるので使わないこと。
(12)重い部品などを持ち上げるときは無理をせずに補助具を使うこと。
(13)仕事を早く終わらせようと急いだり、または手抜きをしてはならない。
(14)車の周辺で子供や動物が遊んでいないことを確認すること。
(15)ドリル、サンダー、グラインダーなどで作業をするときや車の下に入って作業をするときには防塵メガネを使用すること。
(16)油などで汚れる仕事をする前に手に保護クリームを塗っておくと後で汚れが取れやすくなりまた肌を守ってくれる、ただし手が滑らないように注意のこと。
(17)使用済みのエンジンオイルに長期間触れていると健康障害を起こす恐れがあります。
(18)袖口やネクタイ、長い髪は回転部分に巻き込まれる恐れがあるので十部養生をすること。
(19)腕輪や時計などは作業の前に外しておくこと、ズボンのベルトに使われているバックルでボディーなどに傷を付けることがあるのでつなぎの作業服を着用してください。
(20)巻き上げ装置を使用する場合はその作業に見合った十分な能力の装置を使用すること。
(21)作業場の整理が悪いと物を落として壊したり、置き忘れたりするので
4S(整理、整頓、清潔、清掃)に心がけること。
(22)一人で作業中は定期的に作業内容に問題がないか他の人に見てもらうことを奨めます。
(23)決められた手順に従って作業を行い、全て正確に取り付けられているか、きちんと締め付けられているかチェックを行うこと。
(24)車の安全は貴方だけではなく周りの人の安全にも影響するということを心しておくこと、もしわからない点や疑問点が出てくれば独断で作業を行わずに専門家の意見を聴くこと。
(25)ガソリンなど非常に燃えやすい危険物が有るので作業場は禁煙とするとともに、特に直火、スパーク火花、電気回路の短絡、静電気などは気化したガソリンに引火しやすいので注意する。
閉め切った室内では爆発することもある。
(26)特に燃料系統の機器(燃料ポンプ・フィルター等)の作業時にはバッテリーの配線を外すこと、それと熱くなっているエンジンやエキゾーストパイプにガソリンやオイルをこぼさないこと。
(27)作業場、ガレージなどには常時消火器(電気、油火災用)を備え付けておくことを奨める。
(28)電気火災(12V回路は特に問題はないと思うが)や油火災には水をかけないこと。
(29)ガソリン等気化しやすい液体を取り扱うときは換気を十分に行うこと。
(30)洗浄液を使用するときはその取扱説明書の注意事項を良く読むこと、また噴霧した物や気化した物を吸い込まないように注意すること。
(31)締め切ったガレージや作業場の中でエンジンをかけないこと。
排気ガスには一酸化炭素が含まれているのでもしエンジンをかける必要が有れば戸外で行うか排気パイプをガレージや作業場の外へ出して行うこと。
(32)検査用のピットに入って点検作業を行うときは排気ガスの比重が重くピット内にたまりやすいのでエンジンをかける場合は十分注意をすること。
(33)基本的に燃料系統と電気系統の作業時にはバッテリーのアース線を解線すること。
(34)バッテリーは非常に爆発しやすい水素ガスが発生しているので周辺での火気、火花は厳禁です、実際に引火してバッテリーが破裂した人もおられます。
(35)バッテリーを充電するときには大量のガスが発生するため、各セルのプラグは解放しておくこと、詰まっていたりすると爆発することがある。
(36)バッテリーを外したり移動するときには電解液をこぼさないように注意すること、電解液は希硫酸を使用しているため万一肌や衣服に付いたときは直ちに水道水で洗い流すこと。
特に目に入った場合は直ちに水道水で洗い流すとともに医師の診断を受けること。