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【ウォーターポンプ軸シール交換】


  • 長年乗っていると必ずと言っていいほど駄目になるのがウォーターポンプです。
  • 軸シールが傷んで漏れ出したりベアリングから異音が出たりします。
  • 昔の車はポンプのインペラーは鋳物で丈夫ですが最近の車はプラスチックとか、キャビテーションを起こしたりすると割れやすいそうです。
  • 私の車もついに軸シール漏れがやってきました、新品のポンプに交換しましたがその交換したポンプが施工不良だったようで1年足らずで軸シールから漏れ出しました。
  • 結局古いポンプの軸シールをポンプと一緒に買ってあったリビルトキットで修理して取替しました、新品だったポンプは分解手入れして予備としてストックしています。
  • この項ではウォーターポンプ軸シール交換をアップします、 ウォータポンプポンプ取替は別の項でアップしていますのでそちらをご覧下さい。


ウォータポンプからプーリーを外すところ


  • この作業ではプレスが必須です、径の合うソケットレンチを当てて叩き出すなどの方法は使えません。

  • 良い仕事をするには適切な工具が必要です、無い場合は整備工場にお願いしましょう。

  • ポンプフランジ面からプーリーのフランジ面までの距離を測っておきます、組み立て時にこの寸法に戻します。

  • まずはプーリーを外します、ポンプを写真のように万力などで動かないように固定します。

  • 大型の3つ爪ギヤープーラーで外します。

  • 力はプーリーとポンプ軸だけに掛けます。

  • プーラーの軸が太いのでポンプ軸より少しだけ細く削った当て物をします。

  • 一気に力を掛けずにジワジワ緩めて行きます。
プーリーの内側、漏れた冷却水で凄い汚れ


  • 外したプーリーの内側、漏れた冷却水で凄い汚れです。

  • プーリー周辺も冷却水が飛び散った跡が一杯残ってます。

  • 奥の光っている部分がポンプ軸を止めていたところです。

インペラーの取り外し

  • インペラーはベアリングと一緒に抜き取ります。

  • ベアリングの外径より少し細くて軸が入りかつベアリングより少し長めのスリーブを当ててベアリングのアウターレースを加圧します。

  • プレスの下側はポンプ全体で支えると共にインペラーが抜けるように空間を設けておきます。

  • プレスの加圧も一気にやるのではなくジワジワと動きを見ながら抜いて行きます。

  • 固着している場合プレスである程度以上の力を掛けないと動かない場合があります。

  • ガキッ!と言って動き出せばしめた物です、そうでない場合はプレスに正しくセットされているか良く確認してください。

  • 変なところに力を掛けてポンプケースやインペラーを傷めないことです。

ウォータポンプからベアリング&インペラーを取り外したところ


  • ウォータポンプからベアリング&インペラーを取り外し出来ました。

  • 全体に錆が回ってます、冷却水のためでしょうか。

  • メカニカルシール部はまだ大丈夫でしたがポンプボディー側の蛇腹状のゴムシールに亀裂がありました、ここから漏れたようです。

  • やはり20年近く使ってきたのでゴムも持たなかったのでしょう。

  • メカニカルシールの材質は次の通りです。
     (旧)ボディー側:カーボン、インペラー側:真鍮
     (新)ボディー側:カーボン、インペラー側:セラミック

ウォータポンプボディーをインペラー側から見たところ

  • ウォータポンプボディーをインペラー側から見たところです。

  • 各部の錆を落として綺麗に掃除をします。
     @ベアリング勘合部
     Aメカニカルシールのポンプボディー側シール部
     Bインペラーとのクリアランス確保部

  • 電動ドリルなどにワイヤーブラシを付けて磨けばきれいになります、外観、接液部なども錆を落とします、フランジ面はパッキンカスをスクレーパーなどで綺麗に落とします。

新しいメカニカルシールの取付


  • 新しいメカニカルシールを取付ます。

  • ポンプボディーとの接合面には液状シールを塗ります、写真の黒い物がそうです。

  • メカニカルシールのフランジ部と同径のパイプなどでポンプ本体と密着するように打ち込みます。

新しいメカニカルシールの取付完了


  • 新しいメカニカルシールの取付が出来ました。

  • 次のポンプ軸とベアリングを先に付けても問題有りません。

新しいポンプ軸とベアリングの圧入


  • プレスを使って新しいポンプ軸とベアリングの圧入をします。

  • ベアリングを抜いたときのアダプターを使って押し込みます。

  • ポンプボディーに真っ直ぐ押し込んでください、一気に押し込まずに少しずつ様子を見ながら行います。

  • 斜めになっているとポンプボディーやベアリングを傷める恐れがあります。

  • プレスの下側にはポンプ軸が出る隙間を設けておいてください、私はVブロックの山と谷を利用して隙間を設けました。

ポンプ軸取付完了


  • ポンプ軸の取付が出来ました。

  • 次は写真の下に写っているインペラー側のメカニカルシールをポンプ軸に挿入します。

  • 白のセラミック部分とポンプボディー側のカーボンシールとが摺動してシールします、ゴムはインペラー側になるようにセットしてください。

インペラー側セラミックシール取付


  • インペラー側のセラミックシールの取付が出来ました。

  • こんなイメージになります。

  • いよいよインペラーの取付です。

インペラー取付完了


  • インペラーの取付が出来ました。

  • 写真は有りませんがこれもプレスをつかいインペラーを圧入します。

  • これも当然のことながら真っ直ぐに挿入してください。

  • この場合インペラーとボディーとのクリアランスが0.381ミリになるようにします。

ポンプボディーとインペラーのクリアランス


  • ポンプボディーとインペラーのクリアランスはこんな感じです。

  • 0.381ミリのクリアランスと言われてもプレスでの圧入作業では無理があります。

  • ほどほどのところで妥協です。

プーリー取付完了


  • ポンプ軸を支えた状態でプーリーをプレスで圧入します。

  • 分解時に測ったポンプフランジ面からプーリーフランジ面までの距離になるようにします。

  • これが狂うとベルトの歪みなどトラブルの元です。

  • もっともクランクプーリーなどからの距離を考えると0.1や0.2ミリの誤差は問題外だと思いますが。

全パーツとアダプター


  • 写真が後先になりましたがこれがウォーターポンプの全パーツとプレス用のアダプターです。

  • たったこれだけの部品点数です。

  • オーバーホールキット(ベアリング、インペラー、メカニカルシール)が出てますので安く修理できます。

  • プレス等が無い場合は新品のポンプもあります。

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