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【タペットクリアランス点検】
アイドリング不整脈の一因としてタペットクリアランスも影響すると物の本に書いてあり私の車のクリアランスはどうなっているのだろうか一度調べてみたいと思っていました。
また、メカノイズが多いように思うのですがクリアランスが大きいのであれば詰めればノイズは減るのでもしそうなら調整をしてみたい。
それと皆さんにエンジンオイルの管理状態を見るためにカムシャフトカバーの裏側を触ってチェックして下さいと言っているのですが自分の車の状態がどうなのか興味がある、などなど以前から一度点検してみたい場所でした、で今回思い切って点検だけしてみることにしました。
昔の車は簡単にカバーを開けてタペットを調整したものですがさてジャガーはどうなっていることやら。
幸いパッキンは以前買ったガスケットキットに付いているので大丈夫、液状シールも有るので準備は万全!です、では点検開始!
まずプラグコードその他邪魔な機器を外します。
これはインレット側ですがウォーターレールに取り付けられている点火コイルや配線類のサポートを外します。
エキゾースト側は特に何もありません。
次はカムカバーを止めている袋ナットの取り外しです。
銅のワッシャーが入っていますがナットやワッシャーを落とさないように注意します。
ここで落とすとクロスメンバーに引っかかる確立が高く探しにくいので要注意です。
カムカバーのトップにはトルクスネジが1本有ります。
専用の工具で緩めます。
一寸ピンぼけで見難いですがトルクスネジの部分の拡大です。
ここは専用の工具がいるのでちゃんと締まっていない車もあります。
カムカバーの袋ナットを外したところです。
銅パッキンがあります。
このように内部のボルトは油でこってりです。
外した銅パッキンです。
パッキンの基本は取替ですが銅パッキンの場合焼きなますと再使用出来ます。
銅パッキンは油気を取り針金にぶら下げてガスバーナーであぶります。
全数上手く焼いて下さい。
あぶり加減はこれ位赤くなるまで加熱します。
これ位で十分です、あとは自然冷却します。
これ以上温度を上げて溶かしてしまっては元も子もないので要注意です。
さて、カムカバーの中はどうでしょうか?
カムカバーと本体の隙間のパッキンのところにマイナスドライバーを軽く打ち込みカバーを剥がします。
中にゴミを落とさないように慎重に剥がしてゆきます、特にタイミングチェーンのある部分は注意します、落としてしまうと取れません。
私もカムシャフトやカバーの裏側を見るのは初めてですが結構綺麗でしたね。
カムシャフトも綺麗なもので擦ってもスラッジは全く着いていません。
タペットも手で軽く回る良い状態でした。
昔アルバイトでエンジンの切断をしていたことがありますが管理の悪い車はスラッジが5mmも1cmも有りました。
機器内部に物を落とすと具合が悪い箇所を点検するときは開放したままにせず、上から全面に綺麗なウェスやシートなどで養生しておきましょう。
カムカバーの裏側で最も汚れているタイミングチェーンのカバー部分です。
白い部分はウェスで汚れを拭き取ったところです。
カムシャフトのベアリングキャップにはこのように合いマーク(番号)が打ってあります。
分解後の組立時にはこの番号を合わせます。
さて、肝心のタペットクリアランスですがシックネスゲージで調べます。
カムの山が上を向いている状態でタペットとの間にゲージを差し込んで調べます。
ゲージの感触ですが少しきつい目に入るくらいです、これは一寸経験を積まないと感じがつかめないでしょう。
カムカバーに貼ってある管理基準値です。
インレット、エキゾースト共 0.012 〜 0.014 インチです。
ミリに直すとおよそ 0.305 〜 0.355 ミリです。
今回の計測結果は次の表の通りです、一寸はみ出してるところがあります。
シリンダー番号
(後側より数える)
標準値
1
2
3
4
5
6
インテーク(mm)
0.305 〜 0.355
0.305
0.340
0.320
0.300
0.310
0.310
エキゾースト(mm)
0.305 〜 0.355
0.350
0.400
0.315
0.320
0.320
0.370
クリアランスを調整するにはタペットの内側とバルブシャフトの頭に付いているスプリングリテーナーの間にクリアランス調整用に入っているシム(形状は円盤です)の厚みを調整します。
シムは28種類有りパーツナンバー C2243A は 0.085 インチの厚さ、C2243B は 0.086 インチと 0.001 インチ刻みに C2243Z の 0.110 インチまでの26種類と 0.111、0.191 インチの計28種類有ります。
従って例えば2番のエキゾーストであれば今入っているシムが何番か判ればそれより 0.003 インチほど厚いシムと取り替える必要があります。
例えば今 C2243K と言うシムが入っているとするとそれより3番大きい C2243N と言うシムと交換することになります。
但しシムの交換は一旦カムシャフトを外さないと出来ないと思いますので交換は一寸大変ですが。
カムカバーパッキンの取替です。
再使用は出来ません、古いパッキンを綺麗に取ります。
シール面に傷を付けないように注意します。
スクレーパーでこさげると右の写真のような感じでめくれてゆきます。
ヘッドカバー、ヘッド側ともシール面の油分をブレーキクリーナー等で綺麗にしておきます。
新しいパッキンに薄く液状シールを付けて組み付けます、決して付けすぎないように。
付けすぎた分は横にはみ出しますが当然中にもはみ出します、万一何らかの要因でそれが剥がれてオイル系統に入ると大変です。
ヘッド側に着くハーフムーンプラグとかDプラグとか言われるシールです。
左が新品です、右は今回取り外した物でゴムがよくへたっています。
同左
ヘッドカバーパッキンなどを単品で注文するときはこのゴムシールも忘れないように注文して下さい。