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【ATFクーラー取付】

  • ATFの温度を測るようになってから油温の挙動が気になっていました、それまでは知らぬが仏、可成りの温度上昇があったのですね。

  • Sr3までのATはロックアップ装置が付いていませんので通常走行時トルクコンバーターで幾ばくかのスリップがありそれらは熱になっています、XJ40からはロックアップ装置が付いていてスリップを無くし燃費向上に役立っています。

  • 油温の上昇の激しい要因として
    • レーシング走行
    • 渋滞でのノロノロ運転
    • 長時間の登坂
    • 交差点でのゴーストップの繰り返し
    などエンジンの回転数と車速との差が大きいときトルクコンバーターでのスリップが大きくなりATFが過熱されます。

  • 私の車の場合通常の運転でも夏場は105℃辺りまで上がりますがATに関する物の本などから一般的に油温が130℃以上になるとATFや摩擦材の劣化が始まるとか、やはり適温に維持するのがベターです。

  • 参考までにATFの温度と走行キロ数に関するアメリカでのテストデーターを下欄参考資料に上げておきます、これを見ると10℃の温度上昇で走行可能キロ数はほぼ半減します、油温の上昇はATFの劣化を促進しクラッチがスリップするなど致命的なトラブルに発展しますのでなんとしても防がねばなりません。

  • そのためラジエターの戻り冷却水を利用したATFクーラーが付いていますが実際問題夏場は能力不足で別途空冷式のクーラーが必要です、たまたまオークションでジャガーXタイプの中古ATFクーラーが出ていましたのでこれを買って取り付けてみました。

  • 届いたクーラーをよく見ると幸運なことに出入り口配管にサーモスタットが付いていました、温度が高くなればクーラーで冷やし低くなればクーラーをバイパスします、これがあると過冷却にならずにすみます、配管の接続は既設クーラーの戻りラインに直列接続になるように単純に割り込ませればOKです。

  • 取付場所はフロントのアンダーグリルの後にしましたが補助の電動ファンが邪魔になりました、ラジエターファンを電動化した時に配線を切り離して使っていませんでしたので撤去しファンを取り付けていたサブパネルを利用してクーラーを取り付けました。

  • ここらの構造は車種により異なります、同じSr3でも6気筒と12気筒では異なりますのでお車に合わせてご検討下さい。

  • 取付後の状況ですがATFの温度は夏場でも90度をキープするようになりました、冬場にはATFクーラーのサーモスタットが動作してクーラーをバイパスしますがラジエター戻りの水温が低いため本設クーラーで冷やされるので70〜80度辺りになってます。

  • Xタイプに空冷式のクーラーが付いていたと言うことはメーカーとしても油温の上昇を問題視して付けたのだと思います、長期にわたってATに調子よく働いてもらうためには是非とも装備すべきアイテムだと思います。

  • 年式が古くなってくるとATのトラブルが心配ですがATFを良い状態に保ちATを長持ちさせるため皆さんも是非取り付けられることをお奨めします。

  • エンジンのオイルクーラーと同じような形状の物でしたらワークスイズミさんなど色々なメーカーさんから売り出されています、ATF用のサーモスタットなどもありますのでこれらを利用されると良いでしょう。

  • なお、ATFの温度測定は前記ワークスイズミさんの測定座付きサーモスタットを利用されるかSr3などであれば水温計のセンサーを流用してオイルパンに取付し、指示計は水温計用を共用するなど「ATF温度計取付」を参考に改造されては如何でしょうか。

フロントバンパーを外したところ


  • ATFクーラー取付に当たって作業がやりにくいのでフロントバンパー1式を取り外します。

  • バンパーの取り外し自体は難しい作業ではありません。(別途取り外し要領アップ予定)
サブパネルに取り付けたATFクーラー


  • 補助電動ファンを取り付けていたサブフレームにXタイプのATFクーラーを取り付けたところです。

  • Xタイプのクーラーにはサポート金具が付いていましたのでそれの形状とサブフレームの形状に合わせてL型金具などを作り取り付けます。

  • 細部の詳細は次の4枚の写真をご覧下さい、既製品を後付けする場合は現状をよく見て臨機応変に取り付けしてください。
ATクーラー左取付部1 ATクーラー左取付部2
ATクーラー右取付部1 ATクーラー右取付部2

  • 右2枚の写真はL型金具で止めている様子です。
  • 既設ラインへの接続はラジエターの左側の隙間を通しました。
  • 当然それらを含めクーラーの形状に合わせた取付位置を決定してください。
  • 位置的にオイルクーラーの前に来ますので干渉しないように注意してください。

ATFクーラーのサーモスタットハウジングとホース接続部


  • ATFクーラーのサーモスタットハウジングとホース接続部です。
  • 左の黒いブロックがサーモスタットです。
  • サーモスタットは90℃動作でした。
  • ホースの継ぎ手は9ミリでした、Sr3のクーラーラインの配管系は8ミリなのでクーラー側の抜け止め部分が一段太くなっていて入りません、圧力はほんのわずかですが万一抜けるとATの損傷につながりますので針金で抜け止め加工をしています。
ATFクーラーを取り付けた状態

  • ATFクーラーを取り付けた状態です。
  • 綺麗に収まりました。
  • しかしオイルクーラーが半分近く隠れたため夏場はエンジンオイルの温度が若干上がり気味です、別途クーラー増設等の対策が必要になってきました(^^;

ATFクーラー右側取付部

左ATFクーラー配管取りだし部

  • ATFクーラー左右取付部の状態です。
  • 右回りはスッキリしてますが左回りがラジエターの温度制御用センサーの配線などがありゴチャゴチャしてます。
  • でもまあ何とか綺麗に収まりました。

(参考資料)
ATFの温度と走行可能キロ数の関係
症  状 油温
走行可能キロ数 (X1000Km)
  50 100 150 200 250 300 350 400  
 ・クラッチを焼損させる
 ・カーボンを生成する
 ・シール類を傷める
157 3,200km
 ・クラッチがスリップする 150 6,400km
 ・シールを硬化させる 127 24,000km
 ・バーニッシュ化する
 (ドロドロしたニス状)
116 40,000km
  100 80,000km
  90 192,000km
  80 384,000km

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