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【リアーショックアブソーバーの取替】

追加:平成14年2月2日、モンローセンサートラック取替

ウッドヘッドのショック
ショックの下部スプリング受けとリテーナー
ショック上部前方取付状況
ショック上部後方取付座
ショック下部取付状況
ショック下部前方取付状況
ショック下部後方取付部
ショック&スプリング取り外し状況
スプリングコンプレッサー取付状況
リテーナーの取り外し
スプリング取り外し状況
ショック取り替え状況
ショック取り替え完了
取り替えショックの刻印
・先日家を出て走り出してすぐのカーブを切ったときに後輪が何か揺すられるような感じがしました、帰って車体の4隅を揺すってみると左後輪のショックの減衰が悪くなっていました。

・他の3箇所は押さえてもほぼ1度の上下動でしたが左後輪は2度ほど上下します。

・メンテの月刊雑誌などによるとこういうやり方では正しい判断が出来ないと書いてありましたがどういうやり方が良いのかは書いてありませんでした。

・しかしヘインズのXJ−6(XJ−40)のマニュアルには車体を揺すってみる方法が書いてありましたので、この方法でも間違いではないと思います。

・ショックを取り外して単体でオイル漏れの有無等の外観検査とフルストローク動かしたときのピストンロッドの動きを見れば良否の判断は出来るのでしょうがいちいち外すわけには行きません。

・しかし間違いなくショックがへたって来ていると思われますので早速ショックを手配しました。

・交換は左後輪から始めました、まず前輪に歯止めをかけます、後輪を持ち上げるときには特に前輪のストッパーは重要で、これをしていないと車はブレーキの効いていない前輪と反対側のブレーキの利いた後輪のみで支えている不安定な状態となります。

・この時に車を前後に揺すったりすると馬やジャッキが外れて車が落下する恐れがあります。

・次に左後輪のハブナットを少し弛めます、左後輪をジャッキアップするためガレージジャッキをデフの横のピボットブラケットの部分に掛けます。

・私はジャッキにウレタンゴムのパッドをあてボルトの部分にジャッキを掛けましたがここのプレート(タイプレートと言います)にいきなりジャッキを掛けてはいけません。

・このタイプレートはうすい鉄板なのですぐにへこみます、マニュアルには凹型のウッドブロックをタイプレート全体に掛けてジャッキアップするようになっています。

・ボディーが上がったらボディーのジャッキアップポイントにリジッドジャッキ(馬)を掛けて車体を支えます。

・タイヤハウスに潜り込むので万が一の時のことを考えてしっかり固定して下さい、私はガレージジャッキと馬で2重に支えています。

・この時ハブやサスペンションの部分にはジャッキをかけてはいけません、スプリング&ショックが外せなくなるのでフリーになるようにします。

・タイヤを外しショックの下側の取付部を外します、前後2箇所あるナットの内必ず後ろ側を外して下さい、間違って前を外したのでは軸(Shock absorber lower mounting shaft)が抜けません。

・軸は前側に引き抜きます、まあ間違ってもやり直せばいいのですが面倒なだけです、マニュアルにもそう書いてあります。

・軸を引き抜く時に車輪全体がゴムブッシュなどで若干上に押し上げられていますので細い鉄棒をあてがってハンマーで軽く叩くと楽に抜けます。

・手でハブを押し下げても出来ますが作業性が悪くやりにくいです。

・これが終われば次にクロスメンバー側(上側)の取付ボルトを外します、ちょっと手が入りにくいですが馴れればどうと言うことはありません。

・Sr3迄のリアサスは片側に2本ずつスプリング&ショックが有りますが前側が先でも後ろ側が先でもどちらでもかまいません、2本共外します。

・上部の取付部にはスリーブが、下部の取付部にはスリーブとスペーサー、ワッシャーがそれぞれ入っていますがよく覚えておいて下さい、スケッチしておくと確実でしょう。

・なお前側のショックの上部にはサイドブレーキのケーブルを引っ張っているスプリングのサポート金具が左右とも付いていますのでこれも外します。

・あとは落とさないようにスプリング&ショックをゆっくり引き抜けば取り外し完了です。

・次はショックからコイルスプリングを取り外しますがここで写真のようなスプリングコンプレッサーが必要になります、最もシンプルな物で十分使えます、ただ上部に掛けるフックはショックのボディーにあたるので 5mm ほどカットしています。

・スプリングコンプレッサーのネジを緩めコイルスプリングの端から2番目辺りに掛けます、後はスプリングコンプレッサーのネジを締め付けていけばOKです。

・この時スプリングコンプレッサーのネジ部にグリースを塗っておくとネジの保護と回すときに少しは楽になります。

・このタイプはボルトを回すのではなくナットを回さなければならないのでソケットレンチが掛かる間はラチェットレンチで回し、それ以降はモンキーをかけて根気よく回して下さい。

・徐々にスプリングが縮んできてショックの下部側スプリング受けがリテーナーの下に来るまで締め上げるとリテーナーがとれます。

・リテーナーは2分割してはめ込んであるだけなのですぐにとれると思います、しかしエンジンのバルブと言いこのショックと言いうまい止め方を考えた物ですね、考えた人は偉い!

・さて取り外した古い2本のショックの内1本は油漏れをしていました、ダンピング具合を比較してみたところ油漏れしてた方が抵抗が少なくなっていましたので一応判断は正しく替え時だったのです。

・サス部分は泥水、砂埃等がかかるため大変汚れています、スプリング、スプリング受け、リテーナーなどの泥を竹ブラシで手入れしておきます。

・次は組立です、スプリングに新しいショックを挿入しスプリング受け、リテーナーをセットして今度はスプリングを弛めて行きます。

・この時ショックの上下の取付軸方向を合わせておいて下さい、後からやろうとするとスプリングが効いていて手では回り難いので要注意です、後は分解した逆の手順で組み付ければOKです。

・組立時にはスリーブやスペーサー、ワッシャーの取付忘れや位置を間違わないように気を付けて下さい。

・上下の各スリーブの内面などにはスプレーグリースを吹きかけておきます、車輪の上下に伴って軸がわずかですが動きます。

・主に左後輪のショックの取り替えについて書いてきましたが右後輪も全く同じ要領で行います。

・右後輪の時の注意はサイドブレーキのケーブルを引っ張っているスプリングのサポート金具がありますので忘れないようにして下さい。
(右ハンドルの場合です、左ハンドルの場合は左後輪にあります、サポート金具は両方に付いてます。)

・足周りの作業に使うソケットレンチはハンドルの差込サイズが1/2インチ以上の物を使って下さい、時には全体重を掛けるくらいの力でしめる必要がありますので、小さい物では工具が潰れてしまいます。


・参考までに私が聞いたり調べたりしたショックの種類とダンピング特性は次のようですが、
お使いになられる場合には各自でご確認下さい。

 ボーゲ  オリジナル  乗り心地重視  軟らかい
 ビルシュタイン  オリジナル  乗り心地重視  軟らかい
 ウッドヘッド    乗り心地重視  軟らかい
 モンロー    走行性能重視  堅い
 コーニ  調整式  走行性能重視  堅い
 スパックス  調整式  走行性能重視  堅い
 カヤバ    走行性能重視  堅い

・ボーゲ、ウッドヘッド、モンロー、カヤバがリーズナブルなお値段で、
  コーニ、スパックスはこれらの2〜3倍
  ビルシュタインは5〜6倍くらい
のお値段のようです。

・私の車にはボーゲが付いていましたが注文する時にメーカーを指定しなかったためモンローが入ってきてしまいました、と言うより特にメーカー名は書かれて無くまた聞かれなかったのでオリジナルのボーゲが入ってくるものと思っていました。

・取付前にチェックしたところボーゲと違いえらい固いなぁと思っていたのですが実際に付けても猫足とはほど遠くもうガチガチで、路面の細かい凸凹ももろに拾ってしまうためとても耐えられませんでした。

・このモンローのショックはスポーツ走行を好まれる方とかDD6のような重い車に適しているそうですが、私は猫足が好きなので「ウッドヘッド」に替えて頂きました。

・この「ウッドヘッド」は乗り心地は軟らかくて良かったのですが前のボーゲが結構へたっていて軟らかかったので以前よりは堅めの感じです、少し走り込めばもう少し良くなるかも知れません。

・ところがこの「ウッドヘッド」のショック、加工精度が悪いのでしょう、手で縮めてやると戻ってこないか戻ってきても非常にゆっくりで、引っ張ってやるとギシギシと音がする物が6本中4本もありました。

・お店に頼んで再度交換することになり、今度はオリジナルのボーゲを取り寄せました。

・しかしこれも「ウッドヘッド」と同じで固い物や軟らかい物があったり、ギシギシ音がする物などがあったので結局右のリヤーには「古いボーゲのしっかりした物」を、左のリヤーには「新しいボーゲの特性の良く似たもの」に取り替えました。

・その後チェックのために走行したところ一般道の時には全く問題がなくいい調子でしたが、高速走行では後輪が暴れます、別に直進性が悪いわけではないのですが何故かハンドルが取られてつい力が入っていました。

・特にカーブなどではそれが顕著で、帰ってきたら肩や腕の筋肉がコリコリになっていました。

・何故そうなるのか色々と考えてみるとどうも左右のショックの違いが出ているのではないかという結論になりました。

・右後輪の古いボーゲのショックと左後輪の新しいボーゲのショックはよく考えると特性が違っていたのです、ショック単体で動かしていたときの状況を思い出しました。

・ショックアブソーバーは言葉から言うとこれでショックを緩和するように思われるかも知れませんが、ショックはあくまでスプリングが受け持ち、ショックアブソーバーはそのスプリングの振動を吸収する減衰装置なのです。

・そのショックアブソーバーも動作の面から見ると片効き(シングルアクション)と言い、伸びるときにだけ抵抗力を持つ物と、両効き(ダブルアクション)と言って圧縮時にも抵抗力を持つ物があります。

・古いボーゲは「圧縮」「伸び」ともダンピングが利いているダブルアクションタイプですが、新しいボーゲは「圧縮」時の抵抗が少なく「伸び」時の抵抗が大きいセミダブルアクションタイプとでも言うような物でした。

・どうもここらに原因がありそうです、例えば車が右にローリングした時は右の圧縮と左の伸びが利いてローリングは少ないが、逆に左にローリングした時は右の伸びは利くが左の圧縮があまり利かないので車はすぐに左に傾くと思われます。

・低速で走っているときにはさほど問題ではなかったのですが高速で走っていると車体のローリングも結構大きくなり左右のアンバランスがハンドリングに大きく影響を与えるのではと考えました。

・昔買った整備書にショックのチェック方法が載っていて、厳密には減衰力テスターで行う必要がありますが簡単にチェックするのには、ショック単体で全ストロークにわたって均一な抵抗力が有り、早く動かした場合にこの抵抗力が大きく感ずれば良いそうです。

・これで内部には故障がないと判断しても良いそうで、わずかなオイル漏れなら引き続いて使用しても差し支えないと書いてあります。

・オイルの漏れ量が多いと全ストローク動かすことは出来ても抵抗力が感じられないか、終わりの方のオイルの残っている部分のみ感じることがあるそうです。

・外してある2本の古いボーゲのショックを動かして様子を見てみると、軸部に少し油漏れしている物も全ストロークそれなりの抵抗力がありこれなら取りあえず使えそうです。

・右後ろの古いボーゲを新しい物に替えてもいいのですがこの際オリジナルはどうだったのか再確認の意味も兼ねて前後を含めて全て元の古いボーゲに換えて様子を見ることにしました。

・ショックを取り替えたあと団地の回りを”ぬわわ”までチェックしましたが「うんこれぞ猫足」と満足できる乗り心地でした、高速も”ぬうわ”辺りまでチェックしましたが安心してアクセルを踏めます。

・と言うことで現在ショックは1式元の古いボーゲのショックを付けています、近い内にまた新しい物に換えますがその結果をまたアップします。


(追加:平成14年2月2日)

モンローセンサートラック
モンローセンサートラック
モンローセンサートラック

・モンローショックの国内代理店である テネコオートモーティブのホームページを覗くとジャガーXJ6・Sr3用に モンローセンサートラックなるショックがありました。

・巷でも良いという噂があり、またメーカーの宣伝文句もオリジナルの乗り心地を犠牲にせず且つ高速などでの安定性を考慮した製品だそうです。

・平成13年の9月に足周りのリフレッシュを行い、その時に以前買ってあって使ってなかったボーゲの新品のショックを付けました。

・ところが平成13年10月に整備後の点検を行っていたところリヤーのショックの油漏れを発見。

・13年12月に車検なのでその時に交換することとして早速部品を発注しました、お値段も安くて助かります。

・この写真が今回購入したものです、前後とも取り替えることにしました。

・取り替え後の状況ですが、取替前のショックが抜けてしまっていましたので取り替え後は当然固くなりました、しかし最初に付けたモンローのようなガチガチではなく程々の固さです。

・特に顕著なのは高速での安定性で今までは走っていてもアクセルを踏むのに勇気がいったのですがショックを換えてからは安定した走りが楽しめています。

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